一般社団法人日本福祉用具供給協会
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「第40 回国際福祉機器展H.C.R.2013」に出展、出展者プレゼンテーションを行いました。



日本作業療法士協会 福祉用具部 部長
横浜市総合リハリビテーションセンター 課長

日本介護支援専門員協会 理事
千葉福祉総合研究所 代表取締役


介護サービス計画(ケアプラン)における福祉用具の役割についてお話したい。

介護支援専門員(以下ケアマネジャー)は、アセスメントを行い、利用者の生活上の課題を探し出す。福祉用具専門相談員はより専門的なアセスメントを行い、利用者の生活上の課題を探し出し、最適な福祉用具を選定する。また、福祉用具は生活環境の一部であり、利用者の社会参加や活動を支援するものである。

貸与(レンタル)制度を利用する事で、利用者の状態が変化した場合でも最適な機種に変更する事ができる。また福祉用具専門相談員が関わる事で、継続的なメンテナンスとモニタリングを行うことができ、リスクマネジメントに役立つ事ができる。

地域包括ケアの中では「住まい」が重要なキーワードとなっている。物理的な環境という観点でとらえていくと、まず自分の家でどれだけ長く住み続けられるのかを考えていくべき。

日本福祉用具供給協会 会員事業者
(株)トップコーポレーション 代表取締役


福祉用具専門相談員として長く現場にいて見た事からお話ししたい。

介護保険では在宅の利用者に対して、福祉用具の貸与(レンタル)制度ができて選択の幅も広がった。しかし残念ながら、10 年以上たった今でも利用者側が福祉用具は特別なものという認識があり、その導入に抵抗を感じてしまう事も多い。利用者やケアマネジャーなどは最初から福祉用具が「使えない」と思い込んでいる。まずは福祉用具専門相談員に相談してもらい、また福祉用具を実際に試してもらい、わからないことは遠慮なく聞いてもらうことで、福祉用具を「使える」道具であると認識してほしい。

特別養護老人ホーム、老人保健施設での福祉用具の適合状況(活用方法)が気になっている。施設では開設時に標準型の福祉用具を備品として購入しており、利用者がその備品に体を合わせるため、体に合わない福祉用具を使う弊害がみられる。施設においても、自立支援という目的で福祉用具の活用をすべき。

日本福祉用具供給協会 会員事業者
日本基準寝具(株) 企画室 CLO


今回のテーマである「使ってみるとこんなに便利」という観点で、広島の現場でどのような使い方をされているか3 実例紹介したい。

○安全に外出をしたい利用者の事例
息子と二人で同居中だが、洗濯物を運ぶなどの家事を行っている女性の利用者。そのため、洗濯物の運びやすさなどを検討し、洗濯物を座面に置いても安定する歩行器を導入した。

○住み慣れた我が家で暮らしたい利用者の事例
住み慣れた我が家で暮らしたいが玄関での立ち上がり困難。手すりをつけたいが、住宅改修の工事で家を傷つけたくないとのこと。そのため工事不要の設置型の手すりをレンタルで導入した。

○息子の働く姿を見てみたい利用者の事例
自分の後を継いで農業を行う息子の働く姿を見ていたいという要望を尊重し、外の景色が見えるように、玄関に近い部屋の土間や式台を改修し、その部屋にベットの高さ調節や背もたれが上がる介護用のベッドを設置した。

これらのケースから見えてくるのは、福祉用具は自立支援が第1 の目的であるが、それだけではなく使う人の価値観状況に応じて生活に彩りを与える、非常に便利なものであるということ。
 
最後にコーディネーターの渡邉愼一氏は、

「福祉用具などを使う事により生活が劇的に変わったりしたことをケアマネジメント的には「インパクトサービス」という。これはケアマネジャーやヘルパーだけではなく、利用者自らが積極的に使ってみる事で生まれる。

欧米では重度介護者でも寝ている状態だけでは一日過ごさせないように、離床して車いすに座ってもらうように生活を組み立てる。移動するという観点を踏まえて利用者の生活を考える事が重要である。」

と締めくくられました。
 
当日は定員80名の所、100名の方にご来場いただき盛況となり、無事終了することができました。

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