一般社団法人日本福祉用具供給協会
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2002「福祉用具の日」創設連絡会の動き

T 2002「福祉用具の日」推進事業の概要

1.事業実施に至る経緯


 平成5年の福祉用具法と、平成12年の介護保険法の施行により、福祉用具に対する利用環境は整い、介護や支援が必要な方の福祉用具に対するニーズは着実に顕在化しつつあります。 しかし、まだ福祉用具は一般になじみが薄く、誤った認識をもっている方も多く、このようなことが自立を支える福祉用具の適正な普及を妨げる結果にもつながっています。
そこで別紙の趣旨に賛同した福祉用具関連6団体は、平成13年11月7日「福祉用具の日」創設連絡会(以下「連絡会」)を設立しました。 連絡会では、一般の方に福祉用具を知ってもらう機会として、平成14年から10月1日を「福祉用具の日」とし、この日に合わせて福祉用具の普及・啓発活動を集中的に行う事を決めました。
連絡会は平成14年10月1日に向け計9回の会議を開催し、事業内容について検討を行いました。 そして、「福祉用具の日」の一般への周知、並びに福祉用具の普及・啓発活動が計画的、かつ効果的に進められるよう、「『福祉用具の日』推進事業の基本計画」を策定し、事業実施にあたっての基本的な事項を定めました。 「福祉用具の日」推進事業は、この基本計画に基づいて実施されています。
定義/「『福祉用具の日』推進事業」とは、連絡会が取組む「福祉用具の日」に関わる福祉用具の普及・啓発事業と定義します

2.基本方策


(1) 福祉用具法の尊重



「福祉用具法」は平成5年10月1日には施行されました。「福祉用具の日」はこれにちなんで10月1日としました。同法の立法精神を重んじ、高齢者や障害者の自立の促進と、介護者の負担軽減という視点を重視して、「福祉用具の日」推進事業に取組みます。


(2) 関係団体等との連携



高齢社会における福祉用具普及の社会的意義は高いことから、消費者団体や当事者団体をはじめ、広く関係団体等との連携を模索し、「福祉用具の日」の浸透を図っていきます。


(3) 地域等での推進活動の支援



連絡会構成団体・後援団体(注)の会員(以下「会員」)の地域や業務領域での活動等によって、推進事業の広がりが期待できることから、これらの活動を支援していきます。
(注)連絡会構成団体とは「福祉用具の日」創設連絡会の構成団体を指します。後援団体とはこれ以外で事業に参加・協力してくれる団体を指します。会員とはこれらの組織の会員を指します。

3.事業の目標


推進事業の目標は、できるだけ多くの方に、10月1日は「福祉用具の日」である事を知ってもらうことであり、単年度で終わらせることなく、継年で続けていくことです。

4.主催 /「福祉用具の日」創設連絡会


社団法人シルバーサービス振興会、新エネルギー・産業技術総合開発機構、全国福祉用具製造事業者協議会、財団法人テクノエイド協会、日本健康福祉用具工業会、一般社団法人日本福祉用具供給協会

5.計画の概要と事業体系


6.事業の実施体制




U 「福祉用具の日」推進事業の報告

1.「福祉用具の日」標語の公募


 標語は募集側が事業の趣旨を伝え、応募側がそれに応えて作品を作るという側面があり、標語を介して年齢、性別、地域に拘らず多くの方々と、福祉用具に関する情報交流ができる活動です。 その意味では非常にパブリシティ効果が高い取り組みといえます。 連絡会では、一般の方々に福祉用具のことを少しでも知っていただくため、標語の募集活動を行いました。


(1) 募集内容等



@ 福祉用具が、もっと身近に感じられるよう、福祉用具の普及・啓発に役立つ標語



A 募集期間/6月1日(土)〜7月31日(水)


B 応募方法・規定



官製はがき、又は福祉用具販売店にある応募用ハガキ(1枚につき1点)にて応募。文字数40字以内、未発表作品に限る。応募作品の著作権は主催者。



C 賞



最優秀賞(1名、副賞20万)、厚生労働大臣賞、経済産業大臣賞(各1名、副賞各10万)、佳作(10名、副賞各1万)



D 募集方法



6月4日、厚生労働省、経済産業省のご協力で、両省記者クラブにプレスリリース。




連絡会構成団体の会員、関係者等にポスター、チラシを配布して広報活動を依頼した。(行政、在宅介護支援センター、介護関係事業所、商工会議所、供給事業者、製造事業者等)




マスコミ等の活用(一般紙、福祉系専門誌、公募系専門誌等)




専門サイトでの情報提供(WAMNET、日本商工会議所 ほか)


(2) 応募結果



@ 応募総数 … 9,144作品



A 応募作品の内訳




有効作品数 … 8,506作品(審査対象作品)




無効作品数 … 638作品




但し、無効の理由は、41文字以上、作品が空欄、判読不能、消印が8月1日以降の場合とした。




応募者の状況




応募者の状況をみると、全国各地より9歳から最高齢では94歳の方までと幅広い年齢層から応募がありました。性別では40代までは女性の応募数が多く、50代以上になると男性の応募数が多くなっています。また、全年代でも男性の応募数が女性を上回っています。

表1 「応募者の性別と年齢 」 単位;作品、%
 
9歳未満 10代 20代 30代 40代 50代 60代 70代 80代 90代 全年代
男性 18
(0.3)
63
(1.2)
358
(7.0)
558
(10.9)
722
(14.2)
918
(18.0)
1247
(24.5)
989
(19.4)
211
(4.1)
7
(0.1)
5091
(100.0)
女性 10
(0.3)
116
(3.0)
553
(14.9)
969
(26.2)
895
(24.2)
686
(18.6)
293
(7.9)
122
(3.3)
47
(1.3)
6
(0.2)
3697
(100.0)
合計 28
(0.3)
179
(2.0)
911
(10.4)
1527
(17.4)
1617
(18.4)
1604
(18.3)
1540
(17.5)
1111
(12.6)
258
(2.9)
13
(0.2)
8788
(100.0)
但し、1人の応募者が複数の作品を応募しているケースがある、ここでは重複して集計した。


(3) 審査委員会の開催



@ 目的



事前審査を行い、本審査委員会で審査する作品を選考。 本審査委員会は、この中から最優秀賞、厚生労働大臣賞、経済産業大臣賞の各作品、並びに佳作10作品を選考するとともに、その選考の理由を明らかにする事を目的に開催しました。



A 日時/平成14年8月21日(水) 13:00〜16:00



B 会場/シルバーサービス振興会会議室



C 審査委員



【委員長】 京極 高宣 氏(日本社会事業大学学長)
【委  員】 伍藤 忠春 氏(厚生労働省老健局審議官)
岡倉 伸治 氏(経済産業省商務情報政策局医療・福祉機器産業室長)
清水 鳩子 氏(主婦連副会長)
山下 一平 氏(「福祉用具の日」創設連絡会 企画委員長)


2.「福祉用具の日」創設記念式典の開催


標語の募集を通じて全国的に事業周知につとめ、その上で、入選標語の発表を行うとともに、全国で行っている記念イベントを代表する形で、各界に向けて「福祉用具の日」創設を宣言するため、10月1日に東京・発明会館ホールにおいて、「福祉用具の日」創設記念式典を開催しました。


(1) 日時・場所等



@ 日時/平成14年10月1日(火) 13:30〜16:00
A 会場/発明会館ホール(港区虎ノ門2-9-14)
B 主催/「福祉用具の日」創設連絡会
C 参加者/320名


(2) 式典の概要




山下企画委員長が主催者を代表して挨拶に立ち、「『福祉用具の日』が、福祉用具の存在や価値を広く人々に知らせるためにともる灯り、『福祉用具の灯』のような存在であって欲しい、私たちは、この灯りを絶やさないために、『福祉用具の日』を来年度以降も続けていきたい」と述べました。 この後、司会から主催6団体の代表者者の紹介がありました。




来賓祝辞では、久野恒一・厚生労働大臣政務官が「福祉用具を一層、身近なものとするためには、官民あげての取組みが必要です。 厚生労働省での、福祉用具の開発・普及のための様々な施策の実施とあいまって、福祉用具が広く普及することを願っています」と述べられました。




続いて松あきら・経済産業大臣政務官は「経済産業省では、利用者のニーズに合った福祉用具の研究開発や標準化への取組みを行っています。 高齢者や障害者が一人でできることが増え、介護者の負担が軽減できます。」と福祉用具の有用性を述べられました。




入選標語の表彰式には、最優秀賞の中野賢一さん、厚生労働大臣賞の島田健太郎さん、佳作を代表して森澤多美子さんがご出席頂きました。 それぞれ表彰状と副賞の授与があり、その後、司会がインタビューを行い、それぞれ受賞の喜びの声を語ってもらいました。 なお、経済産業大臣賞の小林秀夫さんは奥様の急病で欠席となり、司会が小林さんのメッセージを代読しました。
また、審査にあたった日本社会事業大学学長の京極高宣委員長は、審査講評を述べられるとともに、主催者に対して採用標語を福祉用具の普及に役立ててほしいと要望しました。




全国各地で「福祉用具の日」記念イベントが行われているが、これらを代表して日本福祉用具供給協会の前橋伸治・京都府ブロック長代理が、9月21、22日に開催された「SKYふれあいフェスティバル」の模様を、また中川義明・熊本ブロック長が9月23日の「福祉用具の日フェスタ」についてビデオ映像を使って事例発表しました。




最後に、山下企画委員長が「福祉用具の日」創設宣言文を読み上げ、前半の記念セレモニーは終了しました。 この後、女優の坪内ミキ子さんが「私と福祉用具との出会い」というテーマで講演を行いました。

3.構成・後援団体等との連携


 一般的に全国キャンペーンでは、社会に対して共通のメッセージを伝えるという統一性や、そのメッセージを様々な方法で伝えるという多様性が求められます。 連絡会で取り組む事業のほか、連絡会の構成団体、特に日本福祉用具供給協会では、実行委員会を組織して都道府県ブロックが主体となって、各地で様々な方法で、"福祉用具を身近に感じてもらう"という共通のメッセージを伝えていきました。 同様に、日本福祉用具供給協会も含む各構成団体、並びに会員事業者・関係者も、主に広報活動を通じて「福祉用具の日」の周知活動につとめていきました。 また、オブザーバーとして事業全般をご支援いただいた厚生労働省、経済産業省には、後援名義使用、大臣賞の交付の他、施策や広報活動で積極的な支援策を講じて頂きました。
高齢社会の中で福祉用具普及の社会的意義は一層高くなることから、連絡会の6つの構成団体に加えて、厚生労働省、経済産業省をはじめ、内閣府、国土交通省、都道府県・政令市、関連団体・学会等から後援をいただく活動を進めてきました。 特に都道府県・政令市の後援は、厚生労働省の所管課を通じて、日本福祉用具供給協会の各ブロックの会員が窓口になって取得活動につとめてもらい、都道府県43か所、政令市10か所から後援を頂きました。
これら後援機関・団体等は本事業を様々な面からバックアップしてもらっているので、今後積極的に連携を図っていかなければなりません。

 

「福祉用具の日」推進事業の後援者

内閣府/厚生労働省/経済産業省/国土交通省

車いす姿勢保持協会/自転車産業振興協会/社会福祉・医療事業団/主婦連合会/(財)製品安全協会/全国市長会/(社福)全国社会福祉協議会/ 全国消費者団体連絡会/全国知事会/全国町村会/全国補聴器販売店協会/全国補聴器メーカー協議会/(財)全国老人クラブ_連合会/(財)全日本聾唖連盟/ (財)長寿社会開発センター/電動車いす安全普及協会/(社)日本医師会/(社)日本衛生材料工業連合会_/(社)日本介護福祉士会/(社)日本看護協会/ (社)日本義肢協会/日本ケアマネジメント学会/(社)日本経済団体連合会/日本在宅医療福_祉協会/(社)日本作業療法士協会/(社)日本歯科医師会/ (社)日本社会福祉士会/日本障害者協議会/(財)日本障害者リハビリテーション協会/日本商工会議所/(社福)日本身体障害者団体連合会/日本生活支援工学会/ 日本赤十字社/(財)日本訪問看護振興財団/(社福)日本盲人会連合/(社)日本薬剤師会/(社)日本理学療法士協会/(財)保健福祉広報協会 (五十音順)
北海道/青森県/秋田県/岩手県/山形県/福島県/栃木県/群馬県/埼玉県/新潟県/千葉県/東京都/長野県/山梨県/神奈川県/富山県/石川県/福井県/ 静岡県/愛知県/岐阜県/三重県/滋賀県/京都府/大阪府/兵庫県/奈良県/和歌山県/鳥取県/島根県/山口県/岡山県/広島県/徳島県/香川県/愛媛県/ 高知県/福岡県/長崎県/熊本県/大分県/宮崎県/沖縄県/札幌市/千葉市/横浜市/川崎市/名古屋市/京都市/神戸市/広島市/北九州市/福岡市



4.総合的な広報活動の展開


 広報活動は、事業のPRばかりでなく、時間や場所、方法が異なる多様な活動を結びつけ、内外に対して事業の一体性や多様性もアピールできる活動です。 この点を踏まえ、連絡会では様々な機会や方法により、マスコミ対策も含め、総合的な広報活動を展開しました。
前記のとおり標語募集では、ポスター、チラシ等の広報ツールを制作して、一般の方に応募を呼びかけるとともに、一般紙、業界紙、公募専門誌等のマスコミにも積極的に協力を依頼しました。 また、福祉用具を知らない方が作品を作る際、福祉用具やこの事業の情報を提供するためホームページを立ち上げ、随時情報提供に努めました。


(1) 広報ツール等の制作



@ イメージツール制作



本事業のイメージアップを図るため、連絡会広報ツールに共通するマーク、ロゴ等を制作しました。
シンボルマーク/ロゴ/イラスト/キャッチコピー など



A 展示会用パネルの制作



・シルバーサービス展をはじめとした展示会用のパネル。
・3月初旬、B1サイズ、2枚(趣意書、事業イメージ)



B 展示会用チラシの制作(緑)



・前記@と同様に、展示会で配布するチラシ。
・3月初旬、A4サイズ、両面、5千部(趣意書を簡易化した内容)



C 通年用ポスター(緑)



・事業の趣旨を伝えるイメージポスター。
・5月末、B2サイズ、9100部



D 標語募集用ポスター(黄)



・標語の募集を目的としたポスター。
・5月末、B2サイズ、6100部



E 標語募集用チラシ(緑・青)



・標語の募集を目的としたチラシ。表面は標語募集、裏面は事業趣旨。
・5月末、B2サイズ、両面、145,000部



F 記念式典案内用チラシ



・10月1日の記念式典の案内用チラシ、裏面に事業趣旨、後援者の告知。
・8月下旬、A4サイズ、両面、30,000部



G 入選標語の告知リーフレット




・入選標語の告知を目的としたリーフレット。募集にご協力頂いた関係者に配布。
・A4、両面、三つ折、110,000部


(2) 効果的なマスコミ対策の展開



マスコミに取上げられることにより、一般への周知効果も高まり、かつ、それぞれが取り組む活動への弾みとなることから、マスコミ等に対して積極的な働きかけを行いました。



@ 記者クラブへのプレスリリース



事業の節目にあたるタイミングをみてプレスリリース。厚生労働省、経済産業省のご協力で両省の記者クラブにリリースを行いました。
・平成13年11月7日/「関連6団体で連絡会を設置、10月1日を『福祉用具の日』」
・平成14年6月4日 /「10月1日、第一回の『福祉用具の日』がスタートします!
記念事業として6月1日から『標語』を一般公募」
・平成14年9月24 /「10月1日創設記念イベントの取材依頼、標語入選結果の告知」



A 読売新聞の特集記事の発行



読売新聞に特集記事が掲載されるよう、関係者と協力をとりながら媒体交渉を行い掲載に至りました。 この特集記事は読者に対する「福祉用具の日」や「福祉用具」のアピールとともに、掲載によって各地で取り組んでいる記念イベントへの弾みとすることを目的としたものです。
・4月19日夕刊天窓「福祉用具の社会化目指せ」
・9月16日本社朝刊「情報ストリート」
・9月24日全国版朝刊「車いす 介護用ベッド 移動用リフト 多様化する福祉用具」
・9月27日前後、全国版の夕刊・朝刊「10月1日、『福祉用具の日』がスタート」
・10月8日東京夕刊、「ニュースの広場」



B マスコミへの情報提供・取材対応



連絡会に対する取材への対応を図るとともに、各地で取り組んでいる活動を随時マスコミ等に提供し、記事掲載が行われるよう働きかけました。


(3) 様々な機会を通じた広報活動



@ 展示会等での展示、チラシ配布



・3月14〜16日「シルバーサービス展」での展示、チラシ配布(前記(1)のA、B)
・9月10〜12日「国際福祉機器展」でのチラシ配布(前記(1)のF)



A 「福祉用具の日」公式サイトの開設・運営



前記(1)の広報ツールでの広報、マスコミ等の報道の結果、「福祉用具の日」や「福祉用具」に少しでも関心をもった一般の方々に対して、関連情報を分かり易く、体系的に提供する目的で開設しました。
・6月初旬に開設。標語募集時に多くのアクセスがありました。
・開設以降、約3万件を越えるアクセス。(但し、カウンターは日本福祉用具供給協会のHPと共有)



B 保健福祉系サイトへの情報提供



・厚生労働省、経済産業省の公式サイトで情報提供を行っていただき、これにより全国の各サイトで同事業の関係情報が掲載されるようになりました。
・同様に後援団体や、構成団体、同会員事業者のホームページにて情報を随時提供していただきました。
・11月6日現在、検索エンジンで「福祉用具の日」で検索をかけると、googleで257件、yahooで238件の検索件数があります。(5月初旬で22件程度)