一般社団法人日本福祉用具供給協会
トップページ > 福祉用具の日目次 > 福祉用具の日ってなに?

福祉用具の日ってなに?

「福祉用具の日」とは
福祉用具は、高齢者や障害者の日常生活や社会参加にとって大切なものです。しかし、一般には余りなじみがないので、必要な状態になっても、その存在を知らなかったり、例え知っていても周囲を気にして使う事をためらうケースが多いのではないでしょうか。高齢化の進展や、ノーマライゼーションの考えが普及していく中、必要とする誰もが福祉用具を利用しやすい環境をつくっていくことが、今まさに求められています。私たちは、多くの方々に福祉用具を知っていただき、社会全体が福祉用具を身近に感じられるよう、平成14年から10月1日を「福祉用具の日」とし、この日を通じた福祉用具の普及・啓発キャンペーンを全国一斉に取組み始めました。
 「福祉用具の日」を10月1日としたのは、平成5年の福祉用具法の施行日にちなんだためです。
 この法律は、高齢者及び障害者の自立の促進、介護者の負担軽減を図るため、福祉用具の普及・開発の促進を目的としています。そして10月1日。同法施行を記念して9月、10月を「福祉用具の日」推進月間とし、同法の精神が社会にいっそう浸透し、福祉用具がメガネのように身近な生活用具となっていくよう、全国各地で様々な取組みを行っています。
「福祉用具の日」創設趣意書
我が国では戦後50年以上続いてきた社会福祉のシステムが、新しい時代の流れとともに大きく変わろうとしています。「高齢者等の心身の機能低下や、障害のある人すべてが、一般健常者と同じように生活を楽しむ権利があり、社会としてそれを支援していかなくてはならない」という、北欧で生まれたこのノーマライゼーションの考え方が日本においても広がりつつあります。すべての人々が、たとえハンデを持ったとしても、その人の生活の質(QOL)を向上出来るようなすばらしい社会への道です。2000年4月にスタートした介護保険制度は、そのような社会を実現するためのシステムの一つであると言えるでしょう。
この介護保険給付サービスの中に福祉用具が含まれており、ケアマネージャ等の専門職からは、介護保険の基本精神である自立支援のための大事なサービスであるとの認識が得られつつあります。
しかしながら福祉用具は一般になじみが薄く、何か特別なものと感じる人が多いといえます。そのため介護が必要な状態になっても、その存在さえ知らないか、あるいはたとえ知っていたとしても、周りの目を気にして使うことをためらったり、引け目を感じる人が多いのが現状です。これらのことが自立を支える福祉用具の正しい使用や、普及を妨げる大きな要因となっています。
このような状況の中で私たちは、視力の低下した人が眼鏡を使ったり、歯の弱った人が入れ歯を使ったりするように、必要な状態になったら誰もが何のためらいもなく福祉用具の利用を考え、使えるような環境を整える必要性を痛感しています。このような社会環境を築くためには、多くの方に福祉用具の存在やその役割を知ってもらい、ひいては高齢社会に欠かすことのできない生活用具として、福祉用具が認知されていくことが大切ではないでしょうか。
そこで私たちは、広く国民に福祉用具を知っていただく機会として、来年度から「福祉用具の日」を10月1日として、関係諸機関・団体とともに全国一斉に、福祉用具のPRキャンペーンを展開したいと考えています。特に高齢社会における福祉用具普及の社会的意義は高いことから、関係業界だけでなく、さまざまな方々と連携して活動を進め、運動の輪を広げていきたいと考えています。
「福祉用具法」とは
「福祉用具法」とは、平成5年10月に施行された「福祉用具の研究開発及び普及の促進に関する法律」の略称です。 高齢者や障害者が住み慣れた地域や家庭で自立し、積極的に社会参加ができるよう、1990年(平成2年)「高齢者保健福祉10ヵ年戦略(ゴールドプラン)」がスタートし、保健福祉サービスの充実が図られました。 しかし、福祉用具については必ずしも積極的な開発・普及策がとられておらず、福祉用具に関する総合的施策の実施のため基本法の実現が急務となってきました。
このような状況の中、高齢者や障害者の心身の特性を踏まえ、個々の状況に適合した福祉用具の開発・普及が促進されるよう、厚生省(現厚生労働省)・通産省(現経済産業省)は「福祉用具の研究開発及び普及の促進に関する法律案」の成立に向け努力し、同法案は第126国会においてめでたく全会一致で可決されました。そして同年10月1日の法施行に至ります。

(参考/公益財団法人テクノエイド協会編「福祉用具を上手に利用するための 福祉用具Q&A」)